飲み会では一杯目からハイボールのみつです。
コロナ禍になってからガレージキット沼にはまり、3年ぐらいが経過したと思います。
展示会に参加したり、いろんな人に出会う中で地元の福岡では、「ガレージキット作ってみたいけど、なかなか手を出せない」という方に話しかけてもらうことがあります。
というのも、地元の展示会でガレージキットの展示はかなり珍しいんです。
特に、美少女ガレージキットしか作ってない、メインで作っているという方は本当にほぼいないです。
東京とかに行くとあんなにガレキ作っている人がいるのに、不思議ですよね。
そんな福岡でガレージキットを作っている私が、もっと福岡でガレージキットを作る人が増えてほしい気持ちで、3年間で知ったことをまとめてみました。併せてこれからガレージキットを作ってみたい人にも見ていただければ嬉しいです。
まず、ガレージキットってどこで買うか知ってますか?コロナ禍以前、地方でガレージキットを購入する経路はかなり限られていました。
ちなみに私は、最初のガレージキットは北九州の模型店で買いました。
その北九州の模型店には地下があり、そこに古いメーカー発売のガレージキットが眠ってるんですね。偶然それを見せてもらったところ、私が小学生の時に見ていた「天使になるもん」というアニメのガレージキットがありました。私は初めて見るガレージキットに大興奮。即購入しました。
これは特殊ケースなので、皆さんにはネット販売で買う方法を紹介します。
当日版権システムと二次創作ガイドラインについて
手始めにガレージキットの購入において、切っても切り離せない関係の当日版権システムについてまずは説明していきます。
コロナ禍は私たちの生活様式を変化させてきましたが、ガレージキット界隈も例外ではありませんでした。
今まではワンダーフェスティバル(ワンフェス)などのガレージキットの即売会で購入するというルートが通常でしたが、最近はネット販売も盛んに行われています。
同人誌などのネット販売は昨今当たり前ですが、ガレージキットの版権作品は当日版権システムを使って販売するため、ネット通販はほぼ行われていませんでした。
当日版権システムとはその名の通り、当日、イベント会場内でのみ有効な版権作品の販売を行う許可のようなものです。基本的にイベントの主催者が、版元に許可を申請して取得することができます。平たくいうと、ガレージキットは同人誌のように自由に版権作品の販売ができるわけではない、ということです。
当日版権システムとは別に二次創作ガイドラインに沿って、版権物のガレージキットを販売する方も多くいらっしゃいます。二次創作ガイドラインとは版元がこの範囲であればグッズや同人誌、ガレージキットを製作しても良いと定めたもので、これはコロナ禍前から一部の版元で行われていました。
許諾を受けていない・版元の二次創作ガイドラインに沿って制作されていないガレージキットは、展示会での展示も許可されないですし、ネット上に完成作品を披露してもいい評価はもらえません。いわゆる海賊版と同じ扱いとなります。絶対に購入しないことをお勧めします。
ネットでガレージキットを購入する経路
ここから本題ですが、私が利用しているネット通販は以下の二つです。
- トレジャーフェスタ・オンライン
- BOOTH
それぞれの特徴を説明していきます。
トレジャーフェスタ・オンラインの特徴
トレジャーフェスタ・オンライン(トレフェス)は、版権作品を含めたガレージキットをイベント開催期間中に購入できるものです。
直近では2023年9月9日に開催されます。以下にトレフェスの特徴をまとめてみました。
- 開催日が限定されており、一斉に販売が開始される
- 参加には入場料が必要
- 会員ステージによって入場時間に差が出る
- プレオープン時に全商品のチェックができる
- 幅広い版権作品を購入できる
サイトを確認すればわかるような会員登録方法などについては割愛しますが、利点や具体的な購入方法について説明をさせていただきます。
私が思うトレフェスの利点は、お金を出すことで購入の可能性を高めることができることと、プレオープン時に全商品をゆっくりと眺めることができることです。
トレフェスは会員のランクがあり、ランクによって必要な金額がことなります。簡単に言えば多くお金を出した人が、ほかの人より早く商品を確保できる仕組みになっています。詳しくはサイトを見ていただければわかると思いますので、割愛します。この仕組みに関して、どうかと思われる方もいらっしゃると思いますが、地方から高い交通費を払ってワンフェスに行って、目的のものが買えないということもあるので、個人的には正直安いと思っています。
ただ、最近は人気ディーラーさんでも無料で入場できる時間まで在庫が残っていることもありますので、「絶対に欲しい!」というキットがない限りは無料の時間にどんなものか見てみるのもいいかもしれません。
次に、トレフェスのもう一つの利点である「プレオープン」について説明していきます。ワンフェスではどのようなガレージキットが販売されるか、ディーラーさんのX(旧Twitter)などの媒体を介してしかわかりません。ディーラーさんは直前まで作業されている方が多いことや、販売される金額を明示しない方もいらっしゃいます。それに比べトレフェスでは、二日前からプレオープンで販売物が公開され、その気になればすべての商品をチェックすることができます。情報を逃すことがないことはもちろん、冷静な状態で購入を検討することができるので、効率的だと思います。
ただし、ガレージキットは再販が難しい性質があるため、基本一期一会です。ほしいと思ったら買っておいたほうがいいと思います。
トレフェスでの購入方法はとても簡単です。プレオープンで商品を見た際に商品をお気に入り登録しておくことが可能です。また、お気に入り登録している商品は開催時間になったら一気にカートに入れることができ、カートに入った商品は一定時間保持されます。そのため、トレフェスではカートに入れるまでが勝負といっても過言ではありません。カートに入りさえすれば、ゆっくりと購入手続きに入ることができます。
また、カートに保持された商品は決済が終わるまでは購入済みとならないため、カートに保持された商品がある限り、「売り切れ」ではなく「キャンセル待ち」となります。万が一カートに入れられなかった場合は、誰かのカートから商品が在庫に戻る事を祈りましょう。最終的に買えない時もありますが、粘れば買えることもあります。諦められない時は「売り切れ」にならないかぎり粘るのもいいと思います。
BOOTHの特徴
次にBOOTHについて説明していきます。BOOTHとはイラスト投稿サイトのpixivと連動した創作物のネットショップです。
特徴を挙げてみました。
- 発売日はガレージキットによって様々
- 二次創作ガイドラインでガレージキットの販売が許された版権作品とオリジナル作品のみ購入できる
- 購入の機会は会員登録した人に平等に与えられる
- カートに入っても決済しなければ商品は確保されない
BOOTHの特徴として様々挙げましたが、基本普通のネット通販と変わりありません。
BOOTHでガレージキットを購入するには、原型師の方が発信する情報を逃さないというのが大事です。どんな作品を販売するかは、フィギュアメーカーと違って何ヶ月も前に告知をされることはありません。そのため、販売情報を知った後には在庫がないということも多々あります。
また、BOOTHはクリエイターの方の信頼で成り立っている側面があります。正直、海賊版が販売される可能性もありますし、予告されている期日までに商品が届かないこともあります。ガレージキットは安い買い物ではありませんから、販売されている方が信頼できるのか、ご自身で調べたり考えて購入する事をお勧めします。
ガレージキットの選び方
もしかすると、初心者にはどんなガレージキットがお勧めなの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ガレージキットの制作は根性が必要です。そのため、自分が手間暇かけて作りたいと思うものを選ぶことをお勧めします。
ですが、難易度の高すぎるものを最初のガレージキットに選ぶことで、完成までに心が折れてしまうことがあると思います。そこで、私の経験から初心者にちょうどいい難易度のガレージキットの条件を考えて見ました。
- レジン製のもの
- 両足立ちもしくはお座りポーズのもの(台座とガレージキットの接続が簡単なため)
- 情報量が少ないもの(塗り分けが簡単そうなもの)
- 瞳デカール付きのもの
一つ目の条件のレジン製というところですが、レジンとはガレージキットの素材として主流のものです。ガレージキットの作り方として紹介されているもののほとんどが、レジン製であることが前提で、3Dプリンターの出力品など、新しい素材に関しては、情報が少ないです。そのため独学でレジン製以外のガレージキットを作るのは少し難しいと思います。
3Dプリンター出力品はレジンほど強度がなかったり、出力時の歪みからうまくパーツがはまらなかったり、硬すぎて表面を整えられなかったり、初心者には取り扱いが難しい面があります。ただし、バチピタにハマるパーツの出力品もありますし、加工しやすいレジンと同等の強度のものもありますので、レジン製の物に慣れたら手を出すのもいいと思います。特につくり手に親切な3D出力品を作っている方は、積極的に出力品の特性について情報発信している方が多いです。
また、初心者の方には業者複製品もお勧めです。気泡が少なく(ないわけではない)、表面処理にかかる時間が短くて済むためです。業者複製品は値段も高めですが、かかる労力を考えれば、検討項目の一つに入れるのもありだと思います。もちろん個人複製品でもめちゃくちゃ綺麗なものもあるので、あくまでも一つの基準として捉えてください。
ガレージキットを買う時の教訓
色々と書き連ねてみましたが、最後にガレージキットを購入するにあたって私が教訓としている事をお伝えできればと思います。
絶対に欲しいものがある時は、絶対に油断せず全力を尽くすこと
手に入らないガレージキットもある事を理解すること
まず、BOOTHなど常に商品が購入できる場なら予行演習を行う事をお勧めします。特にBOOTHはカートに入れても商品が確保されないため、スムーズに決済までいく必要があります。どのような流れで商品が購入できるのか確かめた上で、本番に臨むといいです。
また、ネット販売は何時から購入できるかわかっているものがほとんどです。時間の間違えがないようにして、できれば秒数までわかる正確な時計を使って時間になったと同時にカゴに入れられるようにしましょう。ガレージキットは需要に対して供給が少ないため、時間になってから準備を始めても買えないものがほとんどです。買えるだろうという生半可な気持ちは捨てて全力を尽くしましょう。
もちろん、ここまでやっても買えないこともあります。稀ですが。そういう時はそういう運命だったと受け入れましょう。何か好きな映画を見たり、綺麗な景色を見たり、美味しいものを食べて心の平穏を保ってください。執着しすぎると頭がおかしくなるので(私だけか?)、原型師さんの次回作をまったり待ちましょう。
さいごに
初めて作ったガレージキットは今見てもひどい出来です。
でも、この作品を完成させたからこそ、3年もガレージキットの制作に打ち込んでこられたような気がします。
もしこの記事を読んでガレージキットを始めてみたいとおもった方がいたら嬉しいです。
こちらは最近作った作品です。3年頑張って、だいぶ上達したんじゃないでしょうか?作っていてうまくできなくて辛くなることもありますが、これからも頑張って作り続けたいと思います。
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